PRACTICAL GUIDE
POSレジの乗り換えは解約前のデータ確認から
新しいレジを選んだ後で、顧客データを取り出せないと分かると移行計画が止まります。商品・在庫・顧客・会計履歴を分け、移せるものと参照だけ残すものを先に整理しましょう。
商品データと顧客データと履歴を分けて確認する
「CSV対応」の一言では、何が移るか分かりません。商品を取り込めても、顧客台帳や過去の売上を同じ方法で移せるとは限りません。書き出す側と取り込む側の両方に、対象データと項目を確認します。
| 対象 | 移行前に残すもの | 移行先で照合すること |
|---|---|---|
| 商品 | 商品コード・名称・税区分・価格・選択肢 | コードの桁・先頭の0・税込税抜・廃番商品 |
| 在庫 | 基準日時の実在庫・仕入れ途中・返品待ち | どの時点を開始在庫にするか |
| 顧客 | 移行が必要な項目と出力できる範囲 | 重複・文字化け・連絡先・引き継げない項目 |
| 売上・会計履歴 | 必要期間の帳票と参照方法 | 新レジへ取込み可能か。旧環境の閲覧がいつまで可能か |
| 未完了取引 | 予約販売・未収・返金待ち・取り置き | 決済・商品引渡し・返金をどちらで完了するか |
Airレジは顧客情報のCSVアップロードに対応する一方、顧客情報のCSVダウンロードには対応していないと案内しています。また、顧客一括登録CSVは登録用で、既存の顧客情報を書き出す機能とは異なります。「入れられるから出せる」と考えず、契約前に確認してください。
Airレジ:顧客管理について / 顧客一括登録CSVの説明 (2026年10月17日確認)
最初は5商品とダミー顧客で取込みを試す
一括投入の前に、通常商品、税区分が異なる商品、値引き商品、選択肢付き商品、廃番予定の商品を少数で試します。顧客データはダミーで項目の対応を確かめ、実データの取込み権限と保管先を決めてから扱います。
- 元データを複製し、編集用と保管用を分ける。
- 新サービス指定のテンプレートへ列を対応させる。独自の列名へ勝手に変えない。
- 先頭の0、日付形式、文字コード、必須項目を確認する。
- 少数を取り込み、商品数・価格・税区分・表示名を照合する。
- 同じファイルの再取込みで追加になるか更新になるかを公式手順で確認する。
予約履歴や決済履歴まで移行できると確認していない場合は、手入力で無理に再現せず、必要な参照方法を旧サービス側で確保します。予約と支払いの記録を二重に作らないことを優先します。
切替日の前後で担当と完了条件を決める
- 1週間前
機器とデータの準備
対応端末、プリンター、ドロア、決済連携を確認。旧サービスの更新日・解約期限・データ閲覧期限も控えます。
- 前営業日
旧レジを締めて基準を残す
締めの数字と在庫基準日時を記録し、必要な帳票を保管。未完了取引の担当を決めます。
- 切替当日
会計窓口を一つにする
開始金額を確認して新レジへ切替。旧レジと同時に売上を登録しません。混雑時は事前に決めた代替手順を使います。
- 最初の締め
現金と決済を別々に照合
現金、カード等の決済、売上、取消、在庫を照合。差異が残る場合は運用を広げず、原因を確認します。
- 入金確認後
旧契約の扱いを最終判断
新環境の締めと入金を確認し、旧取引の返金や帳票参照を残せるか確かめてから、解約・縮小を判断します。
切り替えてよい状態と延期する状態
| 項目 | 進められる状態 | 延期・代替運用を検討 |
|---|---|---|
| 通常会計 | 担当者が商品選択からレシートまで実行できる | 会計が止まる・商品価格が合わない |
| 取消・返金 | 売上と決済の処理手順を区別できる | 取消済みなのに決済だけが残る |
| 在庫 | 開始数量と返品時の反映を照合できる | 取込み直すたびに数量が増える |
| 締め・入金 | 現金差異と入金予定を追える | 差額の所在と担当が不明 |
| 復旧 | 故障時の受付・記録・後入力を決めている | 旧レジへ戻すと二重計上になる |
これは当サイトが整理した運用上の確認項目です。すべての店に共通する合格時間や件数はありません。会計・返金の実操作は各サービスの公式手順に従ってください。
POSレジ乗り換え確認表をダウンロード(CSV)。取込み用ファイルではなく、担当者・期限・確認結果を記録する管理表です。
月額差だけでなく切替えにかかる費用も比べる
月額が安くなっても、端末交換、機器設定、データ整備、スタッフ練習、契約の重複期間に費用がかかることがあります。既存機器の流用可否も、型番と接続方法で確認します。
切替費用30,000円 ÷ 月の費用削減3,000円 = 10か月
同じ削減が続き、追加の維持費がないと仮定した単純計算です。作業時間や解約費用を含めると結果は変わります。新旧サービスの費用を同じ期間にそろえ、24か月コスト計算で確認します。初期費用には機器代だけでなく、見積もれた移行費用も加えてください。
資料請求・見積もりの確認項目と3候補の比較シートを使うと、移行費用や契約の重複期間も候補ごとに整理できます。